地域住民からのメッセージ

地域医療を変えるために、
今こそ住民が主体となって声を上げなければ

2012.03.07   文/大森勇輝

具体的にはどのような問題があるとお考えですか?

高貫 住民が医師に対して持つイメージと、実際の医師との「乖離」が問題だと思います。住民は医師会などをとかく悪者と見なしがちです。実際、私もかつてはそうでした。しかし、青年会議所で医療問題を扱い、医師と実際に会って話してみるとそんなことはないんですね。皆さん、誠実ですし。2007年に医療フォーラムを始めましたが、医師と住民がもっと近づける、話し合える場があったほうがいいと実感しました。

市橋 たとえば、茂原を含む長生郡市にある救急車は8台。この8台で、1市5町1村、約15万5000人の救急をやりくりしています。だから、子どもが急病になって電話で救急車を呼んでもなかな来てくれない状況があるのです。一方で、とても急とは思えない用件で救急車を呼ぶ事例もあると聞きます。ただ、それはこの地域の医療の現状を知らないからです。だからこそ、住民に病院や医療のことをもっと知ってほしいですね。

救急車の出動件数は一時期下がったものの、ここ2年は上昇傾向にある。
長生郡市広域市町村圏組合消防本部作成の「平成22年版 消防年報」より