浦安市医師会

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健康コラム2019年

耳鼻科のお話 □初めての月経について □塗り薬の有効な使い方 □「胃がん検診」と「ピロリ菌」


耳鼻科のお話

耳鼻科の外来には、鼻症状、耳症状、咽頭症状、めまい症状などで来院されます。
鼻症状では、鼻汁、鼻閉、くしゃみ等があり、原因としては、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、温度変化による鼻炎等があります。治 療法には、鼻処置、ネブライザー(吸入)処置、薬物療法があります。薬物療法には、抗生物質、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬等 の投与、他に点鼻薬(ステロイド薬、鼻粘膜血管収縮剤等)があります。
 耳症状では、耳痛、耳漏(みみだれ)耳掻痒感等があり、原因としては、中耳炎、外耳炎、耳介湿疹があり、必要があれば、抗生物 質、鎮痛剤、かゆみ止めの軟膏を投与します。 咽頭症状には、咽頭炎、扁桃腺炎、声帯炎等があり、安静指示、および投薬をします。その他では、めまい症状、耳閉塞感等があり、必要な検査を施行し、原因に沿った治療をします。

【美浜耳鼻科 院長 岡野 和洋】


初めての月経(初経)について

女性にとって初経は、人生において非常に大きな意味をもつ出来事です。
ほとんどの方は初経発来時の状況をいつまでも覚えているようです。 初経は一定の体重に達すると発来しやすくなります。日本女性の初経時の平 均体重は約43kgです。初経に先だって、乳房発育(8から13歳)が始まり、そ の後に陰毛(9から14歳)が生えてきます。また初経前に身長が伸び、初経後は 成長が鈍くなります。
 現在の月経発来の平均年齢は12.3歳です。約100年前と比べると3歳程度若年 化しています。10.5歳前に初経発来がある場合を思春期早発症、15歳になって も月経がこない場合を遅発月経と呼んでいます。思春期発来時期は、成人期の 健康とも関連があると言われており、早熟の場合は糖尿病、心疾患、乳がんの 発症リスクが高く、遅い場合は骨密度の低下を来すことがわかっています。こ れらの場合は治療を要することもあり、婦人科の受診をお勧めします。

【佐野産婦人科医院 院長 今野 秀洋】


塗り薬の有効な使い方

塗り薬も飲み薬と同じで、必要な量をきちんと塗らないと期待するような効果がえられません。チューブに入っている場合には、2cmくらい(指先の一関節 分)押し出した量で、両手のひら分の面積(ほぼ、顔全体)に塗るのがよいとされています。化粧品では、パール2粒分といった表現になります。軟膏容器 (カップ型)から取り出す場合には、指をきれいにしてから必要量を取り出します。塗り方は、できれば、指1~2本で軽く刷り込むようになじませます 。5~6回塗りこんだ後、残った軟膏は軽くティッシュでふき取っても効果は変わりません。塗り薬も化粧品も両手のひらに広げてから塗ると効果が半減しま す。日焼け止めも指先で塗ってください。塗ったり貼ったりした後、太陽に当たらない方がよい薬もありますので、薬剤師の説明に注意してください。使用後はチューブのキャップをしっかり閉めてください。久しぶりに使うときは、最初の2cmくらいを捨ててください。

【ニュー上田クリニック 院長 上田由紀子】


「胃がん検診」と「ピロリ菌」

日本人に多い胃がんは、早期に発見して治療すれば治癒する確率が高くなりますので、一定の年齢になったら進んで定期的に検査を受ける事 をお勧めします。
検査法にはバリウムを飲んでレントゲンを撮る方法と、胃内視鏡検査(胃カメラ)があり、胃の粘膜を直接見る内視鏡検査は組織を採ってがん細胞の有無を調べる事が出来ます。又、胃がんとピロリ菌は密接に関係しているといわれ、ピロリ菌に長い間感染していると胃の粘膜の萎縮が進行して胃がんを引き起こし易い状態になります。ピロリ菌を胃の中から無くす事によって、胃がんが発生する確率を減らす事ができます。
 ピロリ菌感染の有無を調べる検査には何種類かありますが、その中で血液中のピロリ菌抗体を測定する検査と、萎縮性胃炎の有無を調べる検査(血液中のペプシノゲンを測定)を組み合わせて胃がんになりやすいか否かのリスク分類をする検診が胃がんリスク検診(ABC検診)です。
胃がんを早期に発見する為に胃内視鏡検査と胃がんになりやすい胃粘膜かどうかを調べるABC検診を受けましょう。

【浦安病院 院長 天野汎】

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