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高齢者の運転免許 □黄斑上膜とは □こどもの長引く咳 □朝のこわばり〜あなたは大丈夫ですか?
最近、ペダルの踏み間違えや逆走などによる高齢運転者の重大交通事故の報道が連日なされています。
実際、75歳以上の交通事故件数は他の年齢層に比べて極めて多くなっています。このような現状の中、高齢運転者の自動車事故を未然に防ぐことを目的に平成29年3月に道路交通法が改正され、75歳以上での運転免許更新時や一定の違反行為(信号無視、通行区分違反、安全運転義務違反など18基準)の際に「認知機能検査」が義務化されました。
「認知機能検査」の結果、認知症のおそれがあると判断された場合は臨時適正検査または診断書提出命令がなされ、そこで「認知症」と診断されると「免許取り消し・停止処分」となります。認知症に限らず反応の速さや判断力など加齢により低下することもあります。「自分は大丈夫」と過信、慢心せず危ないと感じたら重大事故に繋がる前に運転しない勇気を大切にしましょう。
また、運転免許を自主返納した際、「運転経歴証明書」を申請し身分証明書として用いることもできます。
【髙木メンタルクリニック 院長 髙木 一郎】
網膜とはカメラに例えるとフィルムの役割をする神経の膜で、物を見た時に像が写る場所です。この網膜の中で最も視力に関わる大事な場所を黄斑部と呼びます。この黄斑部にセロファンのような膜が張ってしまう病気が黄斑上膜です。
黄斑上膜では、膜越しで物を見ることになり視力が低下します。またこの膜が収縮することによって、網膜を引っ張り、しわをつくることがあり、進行してくると物がゆがんで見えてきます。
黄斑上膜の唯一の治療は手術です。黄斑上膜により視力低下・ゆがみなどを認めた場合には手術を検討します。しかし手術を行ってもゆがみなどの症状を完全に治すことは困難です。手術後、半年から1年程度かけて少しずつ症状が改善することが多いですが、基本には放置すると増悪してしまうので、それを防ぐのが一番の手術目的です。
また、黄斑上膜はときに黄斑部に強いしわ・むくみ・あな(円孔)を作り症状がひどく日常生活にも支障をきたす事もありますので、手術をしない場合でも定期的な眼科受診をしていくことが大切です。
【セントラル眼科今川内 院長 渡辺 邦彦】
咳は医学的にその持続時間から急性(3週未満)、遷延性(3週以上8週未満)、慢性(8週以上)に分けられますが、日常診療において「なかなか止まらない咳」を主訴に受診される患者さんはとても多いです。
「咳」と一口に言っても、(1)乾いた咳vs湿った(痰がらみの)咳、(2)常にコンコンしている咳vs出ない時は全く出ないが、出るとせき込んで吐いてしまうほどの咳、(3)昼間はあまり出ないが、夜間早朝や運動時・はしゃいだ時に決まって出る咳、(4)逆に昼間にひどく夜間睡眠中には全く出ない咳もあり、中には(5)クループ症候群でのオットセイが鳴くような咳や百日咳での途切れなく続く連続的なせき込みなど病気に特徴的な咳などもあり、おのずと診断やその対処方法も異なってきます。
咳が出るときの様子を詳しく教えていただくと解決に早く繋がる可能性があり、例えばスマホで自宅での咳の様子を録音していくことも大変有用です。
【明海こどもクリニック 院長 森田 昌雄】
朝のこわばり、特に短時間のこわばりは加齢により感じやすくなりますが、30分以上続く場合は関節リウマチの可能性があります。
関節リウマチは、外敵から身を守る免疫の異常によるもので、治療をしないと関節の破壊から寝たきりとなってしまう怖い病気です。その名前から関節だけが冒される病気と勘違いされる方も多いのですが微熱、だるさ、食欲不振などの全身症状、間質性肺炎、眼症状、皮膚症状など関節以外も冒される病気です。朝に手がこわばるという異変から始まり、やがて手指などの小さな関節が腫れて痛み、進行すると肘や肩、膝、股関節などの大きな関節に症状が及びます。30歳から50歳代の働き盛りの年齢で発症しやすく女性に多いのが特徴です。
診断は、リウマチ専門医でないと難しいようになっており、朝のこわばりがある方は一度、リウマチ専門医に相談してみてはいかがでしょうか。
【浦安せきぐちクリニック 院長 関口 直哉】