健康トピックス

健康豆辞典

緑内障について

緑内障は俗に“あおそこひ”と呼ばれ、白内障(“しろそこひ”と呼ばれる)とともに中高年の代表的な目の病気です。

日本にも200万人以上の患者さんがいると推定されていますが、自覚症状が少ないために、多くの患者さんが緑内障とは気がつかないまま生活を送っています。緑内障は早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視機能を保つことができます。生涯にわたり目の健康を保ち、楽しい社会生活を過ごすためにも40歳を過ぎましたら是非目の健診を受けてください。

最近、テレビの某製薬メーカーのコマーシャルで“40歳を越えたらNTGにご注意!”とネズミが叫んでいるのを見たことがありませんか。“NTG”なじみの無い略語ですが、正常眼圧緑内障(Normal Tension Glaucoma : NTG)に注意してくださいという啓蒙のコマーシャルです。

2000年から2001年にかけて日本緑内障学会が岐阜県多治見市で、緑内障に関する大規模な疫学調査を行い、40歳以上の日本人の緑内障の有病率は約5.8%で、その中でも眼圧(目の硬さ)が以前から言われていた正常範囲内(10mmHg~20mmHg)にある,正常眼圧緑内障が3.8%であることが判明しました。この結果から、日本人の緑内障を考える時、正常眼圧緑内障に十分な注意が必要であることが注目されるようになっています。

目の中では房水と呼ばれる液体が常に一定量作られ、目の中を循環し目の外に排出されており、バランスが保たれています。ところが、何らかの原因で房水が排出されにくくなると眼球内の圧力(眼圧)が高くなり視神経を障害します。年齢とともに房水の流れが不安定になり緑内障が起こりやすくなるとも言われています。

緑内障には急性緑内障と慢性的な緑内障があります。急性緑内障は発作と呼ばれる症状は、突然目が痛くなり、充血し視力障害が起きます。吐き気、頭痛が強く眼科の病気でなく、内科の病気と間違えられることもあります。このような症状のときは直ちに眼科を受診してください。数日で失明してしまう恐れもあります。この急性緑内障は眼科で検査することにより、予防治療を行い、急性発作を回避することができます。

慢性的な緑内障は開放隅角緑内障と呼ばれ、ほとんど自覚症状がなく発見が遅れがちです。以前より、緑内障は眼圧(目の硬さ)が正常値(10~20mmHg)を超えて高くなることにより、視神経に障害が起こると考えられてきましたが、最近の研究では眼圧が正常範囲内でも、視神経の強度によっては、同じような視機能の障害が起こることがわかってきました(正常眼圧緑内障といわれる)。眼科において眼圧の測定、眼底検査での視神経の状態の検査、精密視野検査などを行うことにより早期発見が可能です。各自治体で行っております住民基本検診や人間ドックでも眼底写真を撮影しますので、この眼底検査の結果に『乳頭陥凹拡大』とか『視神経乳頭陥凹拡大』などの、コメントがついていましたら、緑内障が疑われますという意味ですので、出きるだけ早く眼科を受診してください。

緑内障は視神経が障害される病気です。視神経は眼底の視神経乳頭から束になって脳につながっています。視神経が障害されると視神経線維が徐々に断線し、その部分の情報は脳に伝わらず、視野が欠けて見えるようになります。この変化はゆっくりで、初期には自覚症状がありません。何年も時には何十年もかかって視神経の線維がダメージを受け、視野が大きく欠けて気づいたときにはかなり進行していることが考えられます。こうした不幸な結果を防ぐためには、なによりも定期的な早期発見、早期治療が大切です。特に血縁者に緑内障の患者さんが居られる場合には、特に注意が必要です。

検査は眼科での眼圧、眼底、視野検査などが重要です。病気の進行の有無を知るためにも、定期的な検査が必要です。

治療はまず点眼薬にて行います。近年多くの有効な緑内障治療薬が開発され、良い治療効果が期待されるようになっています。房水と呼ばれる水の目の中にできる量を減らす作用のある薬と房水が目の外に排出する量を増やす作用のある薬などを点眼し眼圧を下げることが目的です。点眼薬も使い方がまちまちで、一日1回のものもあれば、一日3回の回数のものもあります。点眼薬も目や全身への副作用を防ぐために、眼科医での注意を十分に守って適切に使用してください。喘息、糖尿病、心臓病、腎臓病などの治療を受けている患者さんは、必ず眼科医と良く相談し治療を継続してください。また内科などの主治医にも緑内障の治療中であることをお話して、おいた歩が良いと思います。

点眼薬では緑内障の進行防止が不十分な場合には、レーザー光線による治療、手術療法などもありますが、眼科医との十分なコミュニケーションをとってください。

緑内障だからといって、特別な生活の注意はありません。神経質にならず、くよくよせず、精神的にも肉体的にも無理のない健康な生活を送ることが大切です。

文責 麻薙眼科 麻薙 薫

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