トピックス:医療情報

日々の暮らしに役立つ医療情報を紹介していきます。

2013年12月03日:花粉症と食物

photo 花粉症では、花粉(アレルゲン)が鼻や目の粘膜に付いて、目や鼻のかゆみやくしゃみなどを引き起こします。口やのどにアレルゲンが接触するために、唇が腫れたり、口の中がかゆくなったりするなどのアレルギー反応が起こってしまうわけです。これを口腔アレルギー症候群と呼びます。 実は、花粉症と食物には密接な関係があります。
中に含まれるタンパク質の構造が花粉と類似している果物・野菜を食べると、アレルギー反応が起こることがあります。
よくある類似例は次のとおりです。

▼スギ花粉とトマト
▼ ハンノキ花粉(1~4月ころに飛散)と、バラ科
(リンゴ・モモ・サクランボなど)およびウリ科(メロン・スイカ・キュウリほか)の食物
▼ シラカンバ(4~6月ころに飛散)とバラ科の食物
主に摂取後15分以内に症状が現れることが多く、場合によってアナフィラキシーという致死的な急性アレルギー症状が出ることもあります。花粉対策と同時に、原因となる食物の摂取を避けることが必要です。
このような症状で心当たりのある人は、医療機関でアレルゲン検査を受けましょう。

「口の中に白または赤い着色がある」「口内炎がなかなか治らない」「食べ物が飲み込みにくい」などの症状がないか確かめましょう。
日ごろから見ていないと異常に気付きにくいので、歯みがきの時に鏡で舌や頬の裏側を観察する習慣を付けましょう。

鎌ケ谷市医師会 宮嶋 啓輔


■『広報かまがや(11月15日号)』より引用
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/kouhou/kouhou.html

2013年11月07日:口腔がんを予防しましょう

photo 口腔(こうくう)がんは、毎年約6千人がかかり、約3千人が死亡しており、増加傾向にあります。口腔がんの発生リスクには、たばこ、アルコール、口の中の不衛生が大きく関連していますので、このようなリスクを日常の中で少しでも減らしていくことが必要です。
口の中は自分で簡単に観察することができるので、口腔がんを早く発見することが可能です。しかし、口の中の「できもの」は多種多様です。口腔がんを心配していても、違う場合も多くあります。できるだけ早くかかりつけの歯科医にみてもらい、必要な場合は、口腔外科を紹介してもらいましょう。

自己チェックのポイント

「口の中に白または赤い着色がある」「口内炎がなかなか治らない」「食べ物が飲み込みにくい」などの症状がないか確かめましょう。
日ごろから見ていないと異常に気付きにくいので、歯みがきの時に鏡で舌や頬の裏側を観察する習慣を付けましょう。
鎌ケ谷市健康増進課


■『広報かまがや(10月15日号)』より引用
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/kouhou/kouhou.html

2013年10月04日:中耳炎といわれたら…

photo 中耳炎はごくありふれた感染症で、抗生剤内服などの治療で多くは改善しますが、2歳以下の抵抗力が弱い子どもでは繰り返し中耳炎が起こることが多々あります。
中耳炎は細かく分類すると急性中耳炎、滲出(しんしゅつ)性中耳炎、慢性中耳炎などがあります。特に小さい子どもで問題となるのが急性中耳炎です。急性中耳炎は、鼓膜の裏側の中耳という空間で炎症が起こり膿が溜まります。多くは鼻や喉に細菌の繁殖があり、この細菌が耳管(耳と喉をつなぐ管)を経由して中耳に入り込み炎症を起こします。主な症状は発熱や耳の痛み、耳だれです。まだ話せない子どもでは、耳を触る、機嫌が悪いことなどがサインです。
また、子どもの熱の原因として中耳炎は比較的多く、急な発熱の際は耳鼻咽喉科で中耳炎の有無を確認することも必要です。
特に中耳炎を繰り返す子どもは定期的な診察や治療が必要です。子どもはいろいろな感染症にかかりやすく、中耳炎のようなありふれた感染症でも、繰り返すと保護者も大変です。日々の体調管理に十分注意してください。

鎌ケ谷市医師会 宮嶋 啓輔


■『広報かまがや(9月15日号)』より引用
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/kouhou/kouhou.html

2013年09月04日:「ロコモティブシンドローム」をご存知ですか?

photo ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、立つ・歩くなどの人の動きをコントロールする骨や筋肉などの運動器が衰えている、または衰え始めている状態です。
放っておくと日常生活に支障をきたし、寝たきりの状態になってしまうこともあります。


正しい知識を持って、予防することが大切です。


*****広報かまがや(8月15日号)より転載*****

予防するためには?

食生活を見直しましょう

骨粗しょう症の予防が大切です。
バランスのよい食生活を心がけ、カルシウムやマグネシウムの多い食品を摂りましょう。

生活習慣を整えましょう

定期的に医師の診察を受け、自分の健康を見直しましょう。
生活の中に、無理をせず自分のペースで続けられる運動を取り入れましょう。

環境の整備をしましょう

photo 「けがをしないための環境作り」も大切です。
家の中の照明を明るいものに交換する、人の動線上につまづきやすい家具を配置しない、転びにくい室内履きを使用するなど、できることから家の中の環境を見直しましょう。
体に負担をかけないような環境づくりは、毎日の暮らしやすさにもつながります。

問い合わせ先

鎌ケ谷市役所 健康増進課予防係 TEL:047-445-1141(内線728~730)

■『広報かまがや(8月15日号)』より引用
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/kouhou/kouhou.html

2013年08月05日:
50・60歳代のための口からはじめるアンチエイジング講座

photo年齢とともに顔の筋肉も衰えるため、顔や口も老化していきます。
しかし最近は、顔の表情筋や舌をトレーニングすることが、若々しい表情を保つことや口臭予防に効果があると言われています。またトレーニングを続けることで、話す・かむ・飲み込むことがいつまでも楽に、軽やかにできることが分かってきました。
この講座では、顔の筋肉の働きについて学び、そのトレーニングや、お口の正しいお手入れの方法について実習します。

*****広報かまがや(8月1日号)より転載*****

対 象:50・60歳代の人

日程・内容:下表のとおり(5日間1コース) ※健康手帳がない人は8月23日に発行します。

会 場:総合福祉保健センター3階

定 員:20人(申込先着順)

申し込み:8月19日(月)までに健康増進課(内)734へ ※さわやかまなびぃ100対象事業です。

日 程 時 間 内 容 持ち物
1 8月23日(金) 13:30~15:00 オリエンテーション、顔の筋肉とその働き、
表情筋トレーニング
健康手帳、
ミネラルウォーター
2 9月27日(金) 表情筋トレーニング、
お口のお手入れ・むし歯予防編
健康手帳、歯ブラシ、
ミネラルウォーター
3 10月25日(金) 表情筋トレーニング、
お口のお手入れ・歯周病予防編
健康手帳、歯ブラシ、
ミネラルウォーター
4 11月21日(木) 13:30~16:00
※会場は総合福祉保健
センター6階。
いい歯の日講演会
「(仮称)インプラントの正しい知識」
5 12月5日(木) 13:30~15:00 講座の同窓会、表情筋トレーニングや
お口のお手入れの復習
健康手帳、歯ブラシ、
ミネラルウォーター

問い合わせ先

鎌ケ谷市役所 健康増進課予防係 TEL:047-445-1141 内線734

■『広報かまがや(8月1日号)』より引用
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/kouhou/kouhou.html

2013年07月02日:子宮頸がん予防ワクチン予防接種について

現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしておりません。

photo 子宮頸がん予防ワクチン予防接種については、平成25年4月1日より予防接種法に基づく定期接種として実施しておりますが、平成25年6月14日付け厚生労働省健康局長通知があり、定期接種として継続しますが、積極的な接種の勧奨は行わないことになりました。
以降、接種を希望される方は、子宮頸がん予防ワクチン予防接種の効果と副反応を十分理解した上で、接種をお願いします。
詳細については、下記厚生労働省のリーフレットをご参照ください。

この対応は、平成25年6月14日に開催された、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が子宮頸がん予防ワクチン接種後に特異的にみられたことから、その副反応の発生頻度がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされたことによります。

■厚生労働省作成リーフレット
子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ


問い合わせ先

鎌ケ谷市役所 健康増進課 TEL:047-445-1141 内線729

■『子宮頸がん予防ワクチン予防接種について』より転載
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/news/kenkouzoushin/h250619shikyuukeigan_yobousesyu/h250619shikyuukeigan_yobousesyu.html

2013年06月05日:
血液検査の結果を知ろう!~HbA1c値の表記が変わりました~

photo 健康診断・人間ドッグなどで検査項目に必ずある血液検査。血を取るのは苦手な方も多いかもしれませんが、誰しもが経験している検査だと思います。
しかし、頑張って検査したのに結果の見かたがよくわからないなんて声もよく聞きます。


そこで今回は血液検査でわかる「HbA1c値」について知っていきましょう。


*****日本医師会「健康ぷらざ No.386」より*****

HbA1cを知っていますか?-血液の健康度を表す数値-

HbA1cとは?

photo HbA1cは血液検査によってわかる数値で、糖尿病の診断に使われます。
ごはんやパンなど、炭水化物が消化されてできるブドウ糖は、体を動かすエネルギー源として血液によって全身に運ばれます。血液中のブドウ糖の濃さを表す血糖値は、検査前の食事や運動で数値が大きく変わります。

しかし、HbA1cはそういうことがなく、過去1~2ヵ月間の平均的な血糖値がわかる信頼性の高い数値です。
糖尿病であるかどうかだけでなく、糖尿病がよくなっているかどうかの判断にも使えます。

表記が変わりました

photo HbA1cの表記は2013年4月に全面的に変わりました。
これまでの数値(JDS値といいます)は日本国内だけで使われていましたが、国際化に合わせて、世界的に広く使われている国際標準値(NGSP値といいます)を使うことになったわけです。
普通はJDS値に「0.4」を加えるとNGSP値になります。

4月以降の検査結果を見て、以前に比べて「数値が上がってしまった」と勘違いしないようにしましょう。

注意するのは5.6(NGSP値)から

皆さんがHbA1cの数値を目にするのは、健康診断や人間ドッグを受けたときでしょう。
HbA1cの数値だけでは判断できませんが、数値が5.6以上あると、将来糖尿病になる危険性があります。HbA1cの数値が高いということは、体全体が“ブドウ糖漬け”になっているという困った状態です。

そんなことにならないためにも、定期的に健診を受け、HbA1cの数値が気になるときは、かかりつけの医師に早めに相談しましょう。

■日本医師会「健康ぷらざ No.386」
http://www.med.or.jp/people/plaza/
(日本医師会のページへリンク:日本医師会『健康ぷらざ No.386』より転載)

2013年05月08日:風しん流行中!予防接種費用の助成がはじまりました

photoニュースでも話題になっていますが、風しんが流行しています。千葉県内でも毎週20例以上の報告が続き、昨年同時期の約40倍となっています。
妊娠中の方(特に妊娠初期)がかかると、生まれてくる赤ちゃんが風しんウイルスに感染し、先天性の疾患にかかってしまうリスクが高くなります。
鎌ヶ谷市では5月1日より風しんの予防接種の助成の受付を開始しました。これから妊娠を予定している夫婦の方、現在妊娠している女性の夫で予防接種未接種の方はこの機会に接種をおすすめします。

*****広報かまがや(5月1日号)より転載*****

風しんの予防接種費用を助成します
風しんワクチンまたは、麻しん風しん混合ワクチンによる予防接種の費用を助成します。

対象者 妊娠を予定または希望している夫婦か、妊娠している女性の夫(未婚の場合を含む)で、次の全ての条件を満たす人
  • 25年4月1日現在満18歳以上
  • 風しんにかかったことがない
  • 風しんワクチンまたは、麻しん風しん混合ワクチンの予防接種をしたことがない(風しん抗体価が低下していると思われる人を含む)
対象期間 平成25年4月1日から26年3月31日までの接種
申請期限 平成26年4月30日まで
助成限度額
  • 風しんワクチンによる予防接種=3,000円
  • 麻しん風しん混合ワクチンによる予防接種=5,000円
※助成は1人につき1回で、申請による償還払いとなります。

【参考】
鎌ヶ谷市ホームページ「風しんが流行しています」
鎌ヶ谷市ホームページ「風しんの予防接種費用を助成します」

問い合わせ先

鎌ケ谷市役所 健康増進課予防係 TEL:047-445-1141 内線729

■『広報かまがや(5月1日号)』より引用
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/kouhou/kouhou.html

2013年04月05日:PM2.5濃度の上昇に注意!!

中国で深刻な大気汚染の原因物質となっている「PM2.5」。このPM2.5が4~5月にかけて日本に飛来するのではないかと懸念されています。PM2.5の粒子は非常にちいさく、吸い込むと肺の奥にまで入り、呼吸器系、循環器系疾患などのリスクが高まると考えられています。政府広報オンラインのサイトでは、PM2.5の基本知識や健康への影響、対策など詳しく掲載しています。
今回は、PM2.5濃度が基準値を超えた際の対応についてご紹介します。

◎現在のPM2.5濃度を知るためには?
大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」で関東地方の状況を確認できます。

*****政府広報オンライン お役立ち情報『「PM2.5」4~5月は濃度の上昇にご注意を!健康に及ぼす影響と日常生活における注意点』より*****

photo【PM2.5に関する注意喚起のための暫定的な指針】
環境省では、都道府県などの自治体が住民に対して注意喚起をするための「暫定的な指針となる値」として、「1日平均値70μg/m3(マイクログラムパー立方メートル)」を示しました。

これは、PM2.5濃度がこれを超えると健康影響が生じる可能性が高くなると考えられる濃度水準です。ただし、この濃度を超えたからといって、全ての人に必ず影響が生じるというものではないことに留意が必要です。高感受性者への影響には個人差があり、子どもや高齢者、呼吸器系や循環器系の病気をもつ人などは、これより低い値でも健康に影響を及ぼす可能性があります。

暫定的な指針となる値
(1日の平均値)
行動の目安 備考
1時間値(※)
70μg/m3
  • 不要不急の外出、屋外での長時間の激しい運動を極力減らす。
  • 高感受性者は体調に応じてより慎重に行動することが望まれる。
85μg/m3
70μg/m3以下
  • 特に行動を制約する必要はない。
  • 高感受性者は、体調の変化に注意。
85μg/m3以下
1時間値は、暫定的な指針となる値である日平均値を1日の早い時間帯に判断するための値

自治体から注意喚起が行われたら、次のような対応を行いましょう。特に幼児や高齢者、呼吸器系や循環器系の疾患のある人は、体調に応じて、より慎重に行動しましょう。

◎屋外にいるとき

  • PM2.5を大量に吸い込まないよう、長時間の激しい運動を減らす。
  • マスクを着用する。

◎屋内にいるとき

  • 不必要な外出はできるだけ控える。
  • 換気や窓の開閉を必要最小限にする。

■『「PM2.5」4~5月は濃度の上昇にご注意を!健康に及ぼす影響と日常生活における注意点』
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/5.html
(政府広報オンラインお役立ち情報へリンク:政府広報オンラインお役立ち情報『「PM2.5」4~5月は濃度の上昇にご注意を!健康に及ぼす影響と日常生活における注意点』より引用)

2013年03月06日:花粉症のはなし

3月に入り、本格的にスギ花粉が飛散しはじめました。
今や誰もが知っている花粉症ですが、ここでもう一度花粉症についておさらいしましょう。

千葉県の花粉飛散情報(Yahoo! JAPANより)もチェック!

花粉症かな?と思った方は、症状が重くなる前にかかりつけ医師に相談してくださいね。

*****日本医師会『花粉症の初期療法-花粉飛散の2週間前から-』より*****

花粉症の初期療法 -花粉飛散の2週間前から-

止まらないくしゃみ・鼻水

photo 花粉症はスギ・ヒノキなどの花粉に対して、鼻の内側の粘膜が過剰に反応することによって起こるアレルギー性の病気です。
くしゃみ・鼻水の原因となるヒスタミン、鼻づまりの原因となるロイコトリエンなどの化学伝達物質が関係して、これらの症状があらわれます。

どんな治療法が?

photo 症状を軽くするためには、花粉情報を参考に飛散量の多いときはなるべく外出を避け、マスクや眼鏡などで少しでも花粉が体内に入らないようにしましょう。
病院で行われる治療法には、花粉が飛び始める2週間くらい前から始める「初期療法」、症状があらわれてから始める「導入療法」、これらの療法で症状が抑えられた状態を保つための「維持療法」があります。

症状が重い人は

photo 症状に応じて、アレルギー反応を抑える内服薬や点鼻薬などが処方されますが、毎年症状が重い人には「初期療法」がお勧めです。今は、眠くならない、効き目がはやいなど、さまざまな薬があります。症状の出始める時期を遅らせ、飛散量の多い時期に症状自体を軽くし、併用する薬の量や回数を減らせることが期待できます。結果的に通院回数も少なくなるかもしれません。
まずはかかりつけの医師に早めに相談して、自分にあった対処法や治療法を選び、つらい花粉シーズンを乗り切りましょう。

■花粉症の初期療法-花粉飛散の2週間前から-
http://www.med.or.jp/people/plaza/backnumber/pdf/380.pdf
(日本医師会のページへリンク:日本医師会>健康ぷらざNo.380『花粉症の初期療法-花粉飛散の2週間前から-』より引用)

2013年02月06日:胃腸の病気のはなし

逆流性食道炎とは?

ピロリ菌の病原性が指摘されてから30年弱、さまざまな啓発活動により除菌療法が進み、内視鏡検査で胃・十二指腸潰瘍などのピロリ菌に関連した病変に遭遇する機会は減ってきました。
代わって増加している疾患に、食道への胃酸や内容物の逆流により生じる逆流性食道炎があります。典型的な逆流症は、肥満で生じた余分な脂肪で食道と胃のつなぎ目(接合部)が押し上げられてしまう状態(食道裂孔ヘルニア)が誘因となっています。接合部は収縮と拡張を繰り返すことで逆流を防いでいますが、ヘルニアにより収縮力が弱くなると胸焼けや呑酸(酸っぱい水が込み上げる感じ)、膨満感といった腹部症状が出たり、寝ると増悪する慢性的なせきの原因となったりします。
骨粗しょう症などで猫背になり胃が引き上げられると裂孔ヘルニアになりやすいことから、高齢化も逆流症の増加に拍車をかけています。
思い当たる症状のある人は、一度内視鏡検査のできる医療機関でご相談してみてください。

機能性胃腸症、過敏性腸症候群とは?

photo 肥満や高齢化といった社会の変化が逆流症の増加する要因であるとお伝えしましたが、複雑化する社会で過剰なストレスが誘因となる消化器症状も増えつつあります。 痩せた女性を中心とした機能性胃腸症は、食後の胃の拡張不良と胃下垂による食物の排出困難が原因と考えられ、食直後の膨満感と数時間後のもたれ感が主な症状です。こういった人は頑固な便秘を伴うことが多く、さらに症状を悪化させています。
また、下痢と便秘を繰り返す過敏性腸症候群も同様に増加しています。過度の緊張などで誘発される下痢は精神的にも苦痛で、仕事や外出にも影響を与え、生活の質(QOL)を低下させる要因にもなります。
いずれもストレスを減らせるよう気持ちにゆとりを持った生活を心がけるだけで症状が軽減したり、個々の状態に合わせて内服薬を組み合わせることで、苦痛が解消されたりすることもありますので、一度専門医にご相談ください。

より快適に過ごしていくためには?

photo 前述のとおり、食べて排泄することは基本的な行為であるために、心や身体のわずかな変化を反映しやすいと言えます。
潰瘍や胃炎のように見て分かる変化がある場合(器質的疾患)もあれば、ないのに症状が出現する場合(機能的疾患)もあります。特に機能的疾患はストレスなどと密接に関係していることも多く、また、人によって感じ方が異なるため症状の表れ方もさまざまです。“病は気から”とはよく言ったもので、気持ちや周囲の状況を整えるだけで改善してしまうこともあります。しかし、様子を見ていてよい状況なのか、急いで受診した方がよい状況なのか判断が難しいこともあります。
自分のことをよく知り、なるべく正当に評価することは、より快適に過ごしていくための秘訣かもしれません。その手助けとして、医療機関でご相談されるのも一つの手かもしれません。

■鎌ケ谷市医師会 野村 直人(のむらファミリークリニック)
広報かまがや「健康だより」(No.1095、No.1099、No.1103)より転載
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/kouhou/kouhou.html

2013年01月11日:ノロウィルス等による感染性腸炎が流行しています!

photo 平成24年12月5日、千葉県に感染性胃腸炎警報が発令されました。
千葉県だけではなく、全国的にもこの10年間で2番目に高い水準にまで患者数が増加しています。

ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。

健康な方はあまり重症化せずに回復しますが、子どもや高齢者、持病のある方などでは重症化したり、おう吐物を誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。予防のためのワクチンはなく、治療は点滴などの対症療法に限られます。
ノロウィルスは感染力がとても強いため、感染予防がとても重要です。

【感染予防のためにできること】

●日頃から、手洗い・うがいの徹底

食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗いましょう。

●感染の拡大を防ぐために

患者の便やおう吐物を扱う時は、使い捨てのマスクと手袋を使い処理します。
捨てる際は、ビニール袋に密閉して捨てます。
汚染された床や用具などは、適正な濃度の塩素系消毒剤(漂白剤)を使用して消毒し、換気を十分に行いましょう。

●食品の扱いは避ける

ノロウィルスは、とても感染力の強いウィルスです。
おう吐や下痢などの症状がある場合は、調理や食事の介助を控えましょう。

【ノロウィルス情報の関連リンク】
千葉県感染症情報センター
厚生労働省ノロウィルスに関するページ

問い合わせ先

鎌ケ谷市役所 健康増進課予防係 TEL:047-445-1141 内線729

引用:鎌ヶ谷市役所ホームページ【ノロウィルス等による感染性胃腸炎が流行しています!】より