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2021.12.21

アルツハイマー病型認知症について

アルツハイマー病型認知症とは?

アルツハイマー病型認知症は潜行性に発症し何年もかけて緩徐に悪化する認知障害を呈する脳の病気です。脳は多くの機能を持つ重要な器官です。アルツハイマー病型認知症では脳が変性をおこし認知機能と呼ばれる「覚える、見る、聞く、話す、考える、判断する」などの人間にとって大切な機能が損なわれます。認知障害の結果、人間らしい行動が障害され社会生活や家庭生活に支障を来してきます。

アルツハイマー病型認知症の症状

症状を大きく分けると記銘力障害や見当識障害といった「中核症状」と心理や行動に障害がおきる「周辺症状」があります。

「中核症状」は記銘力障害、場所や時間が分からなくなる見当識障害、理解や判断力の障害、物事を実行する機能の障害、失語、失認などがあります。

記銘力は即時記憶、短期記憶、長期記憶に大別されアルツハイマー病型認知症の初期では主に短期記憶が障害されます。短期記憶が障害されるとその場の状況は分かり古いこともよく覚えていますが、新しいことを覚えるのが苦手になります。その結果、同じことを何回も言ったり尋ねたりしたり、約束を忘れたり、大切なものの置き場所がわからなくなったりします。新しい道具の使い方もなかなか覚えられません。また時間見当識が障害されると時間感覚が曖昧になり現在の季節や日付時刻を間違えたり約束の時間に間に合わなかったりします。進行すると固有名詞(人やモノの名前)が出にくくなったり、漢字が書けない、方向感覚が悪くなって道に迷う、お釣りの勘定ができない、服がうまく着られない等の症状が出現します。また、家事や仕事など作業の段取りが悪くなり言い訳を言って避けるようになったりします。

「周辺症状」には、

①心配や不安、気がふさぎ込む、いらいらして怒りっぽくなるというような、気分や情動の障害

②お金を盗られた、知らない人が家にいる、というような幻覚や妄想

③夜中に起きて騒ぐと言ったような、夜間不眠やせん妄、不穏などの精神症状があります。

また徘徊や暴力暴言、介護拒否、失禁や便いじり、異食、帰宅願望などの行動障害があげられます。

短期記憶と比較し長期記憶は保たれる事が多いため発症後も変化のない日常生活を送る限りは習慣で問題なく過ごせます。本人も周囲も認知症に罹患したと気付かず暮らしていたものの問題行動が出て初めて受診し実は繰り返しの日常生活も送る事ができなくなるほど進行した認知症だったと診断されたという症例もあります。

アルツハイマー病型認知症の診断と治療

診断のためには、脳の状態を調べるためにCTやMRI装置を用いた脳画像診断と、認知障害の有無を調べる心理検査(神経心理検査)を行います。ほかに除外診断のために、内科的検査や神経学的検査等が行われます。

治療には薬物療法と非薬物療法があります。薬物は記憶を中心にした中核症状に対しては進行を遅らせる抗認知治療薬を用います。「周辺症状」に対しては抗認知治療薬の副作用を検討した上で不安に対して抗不安薬、抑うつに対しては抗うつ薬、幻覚や妄想に対しては抗精神病薬など対症的な薬物治療を行います。高齢者に対しての睡眠薬や抗不安薬の投与は過鎮静のリスクが高いので十分な評価やきめ細かい投与量や投与方法の調整が必要です。非薬物治療としては回想法などの心理療法などがあります。デイケアやデイサービスなどで日常生活のサポートを行う事や日常の生活で自分でできる事は自分でやるといった習慣や行動も認知症の進行を遅らせる重要な要素です。

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