2021.10.26
不整脈とは
脈拍とは心臓の収縮により生じる動脈の拍動のことです。成人の安静時の脈拍数は50~100回/分で、通常規則的に一定の間隔で触知します。これを整脈といいます。
脈拍が50回/分未満を徐脈(脈が遅い)、101回/分以上を頻脈(脈が速い)といいます。また拍動が不規則になっている場合(脈が乱れる)もありこれらを総称して不整脈といいます。
不整脈の症状と原因
動悸、息切れ、胸痛など胸部症状の他にもめまい、気分不快、冷や汗、失神なども見られます。また倦怠感や運動能力の低下、足のむくみを訴える場合もあります。しかしながら自覚症状を認めないことも多く、健康診断で偶然見つかることがあります。
不整脈の原因は病的なものとして薬剤の作用、貧血、甲状腺などの内分泌疾患、心臓疾患などがあります。これらは一般生活や生命まで脅かす可能性があるため、医療機関を受診して精密検査を行う必要があります。
また運動時、精神的興奮時、発熱時の頻脈や、日常からランニングなど運動をしている人の軽度な徐脈などは様子を見ていて良いでしょう。
不整脈の検査と治療
血液検査では貧血、内分泌疾患などを診断することができます。一般の心電図では慢性の不整脈を診断することは可能ですが、突発的な不整脈は診断できません。24時間計測する心電図(ホルター心電図)や、運動負荷をかけて行う心電図(マスター心電図など)を併用します。その他胸部レントゲン検査や超音波検査などを必要に応じて行います。
全ての不整脈を整脈にする必要はありません。治療によりさらに不整脈を誘発し予後不良となる可能性があるからです。検査結果を参考に不整脈の型を診断し、必要に応じた治療を行います。外来での薬物治療が中心ですが、稀に緊急処置(電気的除細動、人工ペースメーカー挿入など)を必要とする場合があるため、自覚症状がある時には速やかに医療機関を受診するようにしましょう。