2019.01.23
結核とは
結核は、「結核菌」という細菌が体の中に入ることによって発症する感染症です。中には、結核菌に感染してもすぐに発症するとは限らず、体内に留まり、加齢や免疫力の低下などによって再び活動を始め、発症するというケースもあります。
昭和20年代までは、日本人の死亡原因第1位でしたが、その後ワクチンの普及などによって死亡者・死亡率は激減しました。しかしながら、近年また流行の兆しをみせており、日本では毎年約2万人が新たに結核を発症、約2,000人が結核によって亡くなっています。誰でもかかりうるとされる病気ですが、治療により治る病気です。
感染と発症
ある程度症状が進んだ結核患者は、咳やくしゃみを介して結核菌を体外に排出するようになります。それを周囲の人が直接吸い込むことで、人から人へ感染します。しかし、吸い込まれた結核菌の大半は、鼻やのどの繊毛の働きで体外に排出されます。また、肺に侵入した場合も、体の免疫力が勝り感染しないケースがほとんどです。こういった繊毛の働きや免疫力をくぐり抜け、肺の奥まで結核菌が侵入して初めて結核に感染します。
ここまでが感染の流れですが、この後に必ずしも発症するとは限りません。体内に侵入した結核菌の大半は、体の免疫力により休眠状態になったり、死滅したりします。そんな中、免疫力が結核菌を抑えきれない場合に、発症にいたるとされています。基本は、感染後6か月から2年ほどで結核菌が増殖し、発症するとされています。小児は症状が現れにくく全身におよぶ重篤な症状につながりやすく、免疫力が弱いため、短期間で発症することもあります。
結核の症状と治療
結核は早期発見・早期治療により治せる病気です。次のような症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。また、65歳以上の方は法令に基づいた定期的な結核検診を受診しましょう。
主な症状 |
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・2週間以上続く咳や痰 ・体がだるい ・微熱が続く など |
結核と診断された場合、専門の医療機関に入院します。入院期間は平均2か月で、排菌が止まったことが確認されると、服薬を中心とした通院治療となります。症状にもよりますが、6か月かそれ以上の期間の服薬を続けて治療します。
また、乳幼児は免疫力が弱いため、結核を発症すると重症になりやすいとされています。そのため、生後1歳までに重症化を防ぐワクチン、BCGを接種することで予防します。
結核は早期発見・早期治療をすることで、重症化を防ぐだけでなく、家族や職場の人など、周囲への感染を防ぐことができます。正しい知識を身に付け、日々の生活の中で十分に注意をしましょう。