健康トピックス

2018.11.07

しっかり消毒してウイルスを撃退!ノロウイルス

ノロウイルスとは

ノロウイルス感染症は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす、ウイルス性の感染症です。長期免疫が成立しないため、1度かかっても再度感染することがあります。11月頃から流行がはじまり12月から2月にかけてピークを迎えます。原因ウイルスであるノロウイルスは、人の腸管内で増殖し、乾燥や熱に強く、自然環境下でも長期間生存する特徴があります。感染力が非常に強く、少量のウイルスでも感染・発症します。おう吐、下痢、発熱、腹痛を伴い、小児ではおう吐、成人では下痢の症状を訴えることが多いです。症状は1から2日でおさまりますが、脱水症状などに注意が必要です。

菌の付着経路としては、主に経口感染(食品、糞口)がみられます。感染者の糞便・おう吐物、およびこれらに直接または間接的に汚染された物品類、そして食中毒としての食品類(汚染されたカキあるいはその他の二枚貝類を生で食べることで人の体内で増殖したり、加熱不十分な食品を食べる、感染者によって汚染された食品を食べるなど)が感染源の代表的なものとしてあげられます。その他に、飛沫感染、あるいは比較的狭い空間などでの空気感染によって感染拡大することもあります。

ノロウイルスの治療法・予防法

ノロウイルスの治療には、有効な抗ウイルス剤はなく、対症療法が行われます。特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者が感染すると、「脱水症状」になりやすいので、症状が少し落ち着いた時に、少しずつ水分補給を行ってください。脱水症状がひどい場合には、病院で輸液(点滴)を行うなどの治療が必要となります。また、下痢がひどいからと言って、強い下痢止めを服用すると、ウイルスが腸管内に溜まり、回復を遅らせることがありますので注意してください。さらにおう吐物によって気道が塞がり、「窒息」を起こすことがあるため、よく観察することが大切です。

ノロウィルスの予防法

ノロウイルスの感染を予防するには、ウイルスをつけないことが大切です。下記の予防法で未然に防ぎましょう。

1.きちんと手を洗う
食中毒予防には手洗いが最も重要です。調理前、食事前、トイレの後には、石けんをよく泡立ててこすり洗いし、流水でしっかりすすぎましょう。二度洗うとより効果的です。
2.十分に加熱する
カキやアサリなどの二枚貝の内臓にはノロウイルスが蓄積することがあるため、生や半生で食べると食中毒になる可能性があります。しっかり中まで火を通しましょう。中心温度85℃から90℃で90秒以上の加熱が目安です。
3.調理器具等の消毒
消毒には次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使いましょう。アルコールや界面活性剤はあまり効果がありません。
(※エタノール系消毒剤には、ノロウイルスに対する不活化効果を期待できるものがある)
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