健康トピックス

2025.05.12

風邪の症状に似た病気「溶連菌感染症」

溶連菌感染症とは

溶連菌感染症は、溶連菌(溶血性連鎖球菌)という細菌が原因で引き起こされる感染症です。この細菌が人の体内に入り、呼吸器や皮膚に感染し、急性咽頭炎や扁桃炎、皮膚の発疹などさまざまな感染症を引き起こします。主に飛沫感染が多く、感染している方の飛沫や傷の浸出液などを触ることでも感染します。人と接触する機会が多い場所で集団発生しやすく、幼稚園や保育園、学校など集団生活を伴う子どもがかかることが多いですが、大人にも感染する可能性があります。特に大人では、症状が軽かったり風邪の症状と勘違いされやすいため、放置されるケースも少なくありません。しかし、治療が遅れると合併症を引き起こす場合があるので、早期の診断と治療が大切です。

主な症状

この病気には潜伏期間があり、実際に感染してからおよそ2〜5日で症状が出ます。代表的なものは、発熱(38〜39℃)、のどの痛みです。それ以外に吐き気や腹痛などお腹の症状が出たり、首のリンパ節が腫れることもあります。また、体や手足に小さくて紅い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたりします(イチゴ舌)。発疹が出た場合は、急性期を過ぎますと、手や足の指先からはじまる皮むけが認められるようになります。

治療法

溶連菌には、熱やのどの痛みといった症状をやわらげるお薬のほかに、抗菌薬が出されます。抗菌薬を飲み始めて2~3日ほどで熱が下がり、のどの痛みもやわらぎますが、確実に溶連菌を退治するためには、症状が消えても抗菌薬を飲み続けることが大切です。
溶連菌感染症の症状がおさまっても、体内に菌が残っていると、「リウマチ熱」や「急性糸球体腎炎」などの重大な合併症を引き起こすことがあります。合併症予防のためには、10日ほどは抗菌薬を飲み続ける必要があります。薬によって内服する期間が異なるため、かかりつけ医に確認するようにしてください。

予防法

溶連菌感染症は咳やくしゃみなどによって飛沫感染しますので、人混みを避けることや、マスクができる年齢のお子さんやご家族は人混みではマスクをすることで予防につながります。また、手洗いやうがいを徹底したり、感染している人と距離を保ったり、タオルやコップを別々のものにする方が良いでしょう。

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