2022.06.27
伝染性軟属腫の原因と症状
伝染性軟属腫は伝染性軟属腫ウイルスによって発症し、接触によって感染する病気です。一般的には「みずいぼ」と呼ばれ、幼小児によくみられます。
発症すると、1~5mm程度の光沢のある丘疹を生じます。丘疹の中央部に陥凹がみられることがあります。発疹の内容物はモルスクム小体と呼ばれる白い粥状物で、ウイルスに感染して変性した細胞の集塊です。
発疹は顔・体幹・四肢など全身のどこにでも生じます。軟属腫の周囲に痒みを伴う湿疹病変を伴うことがあり、これを軟属腫(モルスクム)反応といいます。発疹を掻いた手で他の皮膚を触ると、他の皮膚にも感染し発疹が次々と増えていきます。湿疹やアトピー性皮膚炎などにより皮膚のバリア機能が低下していると、自家接種で多発してしまうことがあります。
伝染性軟属腫の治療
伝染性軟属腫は多くの場合、数カ月から数年で免疫を獲得して自然治癒します。治癒にかかる期間には個人差がありますが、自然治癒をまつのも有力な方針です。
自然治癒を待つか、積極的に治療を行うかは議論があります。治療としてはトラコーマ鑷子と呼ばれる先が輪になった専用のピンセットを用いて個々の病変を摘除します。少量の出血と痛みを伴うため、幼小児では治療に恐怖心をもつことあります。局所麻酔テープを貼ってから摘除すると疼痛が緩和されますが、1回の治療で使用できる麻酔テープの量には制限があります。
伝染性軟属腫とプールについて
プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。(皮膚の学校感染症とプールに関する日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会の統一見解より引用)