健康トピックス

2021.11.22

更年期障害について

閉経と更年期障害

閉経とは卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下して月経が完全に無くなった状態です。閉経年齢とは月経がない状態が1年以上続いた時に最後の月経があった時点での年齢をいいます。日本人の閉経の平均は約50歳ですが、個人差が大きく早い人では40歳台後半、遅い人では50歳台後半です。閉経前後の10年間を更年期といい、女性ホルモンの分泌が急激に低下するために様々な症状が出現します。これらの症状の中で日常生活に支障をきたす場合を更年期障害と呼んでいます。

更年期障害の主な症状

更年期障害の症状は多彩で、大きく3つに分けられます。

1.血管運動神経系の症状
ほてり、のぼせ、発汗、動悸、ホットフラッシュなど
2.精神神経系の症状
抑うつ気分、イライラ、不安、情緒不安定、不眠など
3.その他の症状
頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節痛、冷え、しびれ、かゆみなど

更年期障害の原因と治療

更年期障害の主な原因は卵巣の働きが衰え、女性ホルモンの分泌が急激に低下することで起こります。それに加えて身体的因子や心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与しています。

更年期障害の原因は女性ホルモンの分泌低下だけでなく、身体的、心理的、社会的因子が影響しており、心理療法、運動やバランスの良い食事摂取、気分転換をするなど生活習慣を見直すことで症状が改善する場合があります。薬物療法は①ホルモン補充療法、②漢方薬、③向精神薬の3つに分けられます。

①ホルモン補充療法(HRT)
更年期障害の原因である女性ホルモン(エストロゲン)を補う治療です。ホルモン剤には飲み薬、貼り薬、塗り薬などがありますが、子宮のある方の場合はエストロゲン単独の投与では子宮内膜増殖症のリスクが上がるため黄体ホルモン剤を併用します。子宮体がんや乳がんの治療中の方などHRTが向かない方もいらっしゃるので医師とよく相談してください。
②漢方薬
更年期の様々な症状にあわせて漢方薬を使用します。
③向精神薬
抑うつ気分、イライラ、不安、情緒不安定、不眠などでつらい場合には抗うつ剤、抗不安薬、睡眠鎮静薬などの向精神薬も使われます。

更年期の様々な症状は他の病気でも起こります。甲状腺疾患や高血圧、糖尿病、うつ病などの病気の可能性もありますので更年期障害と自己判断せずに医療機関を受診してください。

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