地域医療再生プログラムとは?
第7回 千葉県が将来をにらんで取り組む
「医療従事者の確保・資質向上」
?3本柱の対策でモデル医療圏を支援し、全県向けのノウハウを蓄積?
2012.04.20 文/桶谷仁志
下表は、千葉県内の医師養成機関である千葉大学医学部附属病院に採用された初期研修医の推移を示したものです。初期臨床研修制度の導入前の平成15年度に147人だった初期研修医は平成16年度から激減し、平成21年度にはかつての3分の1程度になっていることが分かります。
県内の臨床研修指定病院(41病院)での初期研修医の採用率も、平成20年度が70.8%(募集定員398人、採用実績282人)、平成21年度が67.3%(募集定員404人、採用実績272人)と厳しい状況が続いていました。
初期臨床研修制度の下では、医学生個人が、自由に将来のキャリアプランを思い描き、そのための研修先病院を選び、就職することができます。そのため、患者数が多く、より豊富な症例に接する機会が多い都市部の病院を選ぶケースが多くなっています。千葉県は、大きな病院の多い東京都に隣接しています。東京の病院を研修先に選ぶ人が多いため、県内で初期研修医の採用率が低くなる傾向にあるのかもしれません。