東日本大震災関連

東日本大震災 支援活動報告・リンク集

東日本大震災医療救援報告

千葉県医師会 理事 川越 一男

テレビ等で被災の現状を見るたびにその被害の大きさを実感し、何とか医療支援をしたいと考えました。たまたま岩手県医師会に大学の先輩が理事としておられたので、電話で連絡をとったところ「すぐに救援に来てほしい」との要請を受けました。3月14日直ちに自院のスタッフとチームを作り出発準備を進めました。自分も千葉県医師会の理事であることから藤森会長に連絡を取り千葉県医師会として岩手に行くことの許可をいただきました。その旨千葉県医師会の事務局に伝えたところJMATとして日本医師会に登録し日医の指示を待って行ってほしいとのことでしたが、調整に手間取り時間だけが過ぎていく状態になったため、指示を待たずに岩手に向けて出発する直前、日医からの指示が出た状態でした。

何の情報もない中、今必要なものは何かを予想し医薬品、生活物資をできるだけ揃えて3月16日正午ごろ当院救急車とワンボックスカー2台で千葉を出て高速湾岸線から荒川線、東北自動車道と進みました。途中、那須高原と紫波サービスエリアで給油をして約7時間で盛岡に到着しました。東北自動車道は思ったよりも被害を受けておらず、サービスエリアはどこでも緊急車両の給油はできました。岩手県医師会に到着し釜石で県立釜石病院の指示のもと医療救援をしてほしいとの要望をいただいたので3月17日、前日に降った雪の中朝7時に盛岡を出発し10時ごろ釜石に到着しました。県立釜石病院の隣にガソリンスタンドがあり、そこでは緊急車両の給油を無料でしてくれました。到着後すぐに県立釜石病院の遠藤院長先生の指示で避難所回りの医療救援活動がこの日から始まりました。県立釜石病院は入院患者の多くを後方の病院に転院させており、救急で運ばれてくる患者の治療を優先して行っていました。我々が到着した時点では比較的医薬品も充足しており、県立釜石病院へ医薬品を提供することはありませんでした。

巡回した避難所
釜石地区
片川集会所、甲子小学校、甲子中学校、甲子林業センター、大松小学校、天照神社、小白浜老人ケアーセンター
在宅訪問診療数件
大槌地区
浪板交流センター、吉祥寺、赤浜ワークフォロー、赤浜小学校
在宅訪問診療10数件

津波の被害を受けなかった高台にある地区では各家庭で数人から十数人の避難生活をしている家庭がありました。また、山間部では沢の水を利用したり、薪ストーブなどを使って生活している高齢者などがありましたが、救援物資はそれらの家庭には届いていない現状がありました。
避難所での生活はテレビで報道されている通りの生活がありました。ただ避難所の格差があり体育館のような大きな避難所は暖をとることも難しく嘔吐下痢症や風邪症状の人を隔離するのも難しい状態でした。公民館や集会場などの比較的小さな場所では畳の部屋があったり、炊事場があったりと比較的過ごしやすい避難所もありそれぞれにあった救援を考える必要性を感じました。

用意した医薬品、資材
点滴(開始液、維持液)点滴セット、留置針、サージカルテープ、ディスポ消毒セット、滅菌ガーゼ、消毒薬、抗生剤、整腸剤、止痢剤、H2ブロッカー、健胃剤、睡眠導入剤、ステロイド軟膏、抗生剤軟膏、降圧剤、湿布、尿コップ、採血管、採血針、キシロカインゼリー、アルコール綿
飲料水、成人用オムツ、生理用品、軍手、軍足、毛布、布団、非常食、ティッシュ、ウエットティッシュ、トイレットペーパー、プラスチック手袋、マスク、紙コップ、割りばし、紙皿等
我々が用意した自炊用品
カセットコンロ、レトルト食品、サトウのごはん、インスタントみそ汁、インスタントスープ、カップ麺、水、鍋、ヤカン、電気ポット、簡易テーブル、折りたたみ椅子、ブルーシート、紙コップ、紙皿(余ったものは避難所に置いてきました)

避難所には避難している人の数だけ不幸があるような思いがありましたが、その多くの人は力強く生活をしていました。こちらからあえて身内の方の安否を問うことはしませんでした。深い悲しみを思い出させることがかえって心を大きく傷つけることになる気がしたからです。でも自然に話してくれる方もいたので、その方たちには耳を傾け、一緒に悲しむことと多くの人が支えることを話しました。診察をした最高齢の方は103歳のおばあちゃんでした。避難の時にできたアザが少し足にできていましたが大変元気で湿布を処方しましたが、かえってこちらが元気をもらいました。
3月19日長瀬先生と合流し大槌地区を回りバトンタッチして活動を終え盛岡に戻り一泊した後20日に千葉に戻ってきました。

津波の被害を受けた所と受けなかった所の差は言葉で表現できないほどの違いがあり、津波の被害の大きさは想像を遥かに超えていました。町が丸ごと消えている現状を目の当たりにすると、今後どうしたら復興できるのかと途方に暮れる思いがします。でも避難所の人たちはみんな協力し合って生活しており、力強ささえ感じました。必ず復興できることを信じて今回の救援を終えることができました。
いろいろお世話いただいた岩手県医師会の会長、役員、職員の皆様、自ら被災されているにもかかわらず我々に協力してくださった県立釜石病院の院長先生を始め看護師さんや職員の方たち、大槌消防本部が全壊しているにもかかわらず、我々に協力して下さった大槌消防本部の皆さんには心から感謝いたします。

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