2017.07.26
アニサキス症とは
アニサキスは寄生虫の一種で、その幼虫は長さ2~3cm、幅0.5~1mmほどの白い糸のような形をしています。サバやイワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類の内臓に寄生しており、魚介類が死亡すると内臓から筋肉に移動します。アニサキス幼虫が寄生している魚を生や生に近い状態で食べると、アニサキス幼虫が壁や腸壁に突き刺さることで食中毒を引き起こします。
アニサキス症は、急性である場合が多く、主に「急性胃アニサキス症」と「急性腸アニサキス症」に分けられます。アニサキス幼虫は胃液によって死滅するため、生存期間は1~2日、長くても4日ほどですが、重症化すると腸閉塞を引き起こす可能性があり、最悪の場合は死にいたります。激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
アニサキス症の症状
胃アニサキス症 |
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食後数時間から数十時間後に、みぞおちが激しく痛み、胸のむかつきや嘔吐を伴います。ほとんどの場合が急性です。 |
腸アニサキス症 |
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食後十数時間から数日後に、激しい下腹部痛と腹膜炎症状(嘔吐、発熱、頻脈など)が表れます。まれに腸閉塞や腸穿孔が併発する場合があります。胃アニサキス症と同じく、ほとんどの場合が急性です。 |
消化管外アニサキス症 |
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アニサキス幼虫が消化管を穿通して腹腔内へ脱出した後、大網、腸間膜、腹壁皮下などに移行し、肉芽腫を形成することもあります。症状は、アニサキス幼虫が寄生した部位ごとに異なります。 |
アニサキスアレルギー |
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魚介類を食べたあとに蕁麻疹などのアレルギー症状が現れます。血圧降下や呼吸不全、意識消失などのアナフィラキシー症状があらわれる場合もあります。 |
アニサキス症の治療法・予防法
治療法としては、胃アニサキス症が発症した場合は、胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入するアニサキス幼虫を見つけ、鉗子と呼ばれるピンセットのようなもので摘出します。腸アニサキス症では、症状が治まるまで待つ対症療法を行い、腸閉塞を起こした場合には外科的処置を行います。
アニサキス症の原因魚種として最も多いのがサバですが、シメサバなど通常の料理で用いる程度のお酢ではアニサキス幼虫は死滅しません。同様に、通常の料理で用いる程度のわさびや醤油でも死滅しません。食べる際には、中心部まで十分加熱するか、生で食べる場合は完全に凍結(マイナス20℃で24時間以上)させることが重要です。
アニサキス幼虫は魚介類の内臓に多く寄生しています。常温で魚介類を放置するとアニサキス幼虫が筋肉へ移行しやすくなるため、新鮮なものを選び、早い段階で内臓を除去し冷蔵庫などで保存しましょう。また、目視で確認し、アニサキス幼虫を除去するようにしてください。