健康トピックス

健康豆辞典

暑さ寒さも彼岸まで 春分の日

“季節の変わり目”潰瘍悪化 日ごろの健康管理が大切

春分は中国伝来の陰暦の季節区分である。24節気の1つで、これは地球より見た1年間の太陽の軌道である黄道上の太陽の位置によって1年を24(各15日)に区分したものです。春分の日は昼夜の長さが等しくなり、この日を中日にして前後各3日の計7日間を春の彼岸と呼び先祖の墓参りをします。彼岸は梵(ぼん)語パーラミターの訳で、川の流れに此(し)岸と彼岸の両岸があり、迷いの此岸を離れ煩悩である川の流れを脱して、悟りの境地である涅槃(ねはん)の海岸に到達するという仏教徒の理想を表した行事の一つです。

平安時代ごろから日本で始まった風習とされていますが、江戸時代以降彼岸参りが盛んになり、供物として彼岸だんごや牡丹餅(ぼたもち)(秋はお萩という)を供えるようになったようです。1878年(明治11年)6月、春季皇霊祭として国家の祭日に制定され、現在では春分の日として国民の祝日になっています。このころから冬の寒さが去って、日ごとに春らしくなることから古来「暑さ寒さも彼岸まで」といわれて好季節到来の目印となっています。

この季節の変わり目の時期注意すべき疾患として、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)、気管支喘息(ぜんそく)、脳血管障害などが挙げられますが、特に潰瘍は春先や秋口に悪化する周期性が特徴的です。胃や十二指腸の粘膜に傷がつく潰瘍の原因や誘因は種々あるのですが、1983年マーシャルらによってヘリコバクター・ピロリというラセン状の桿(かん)菌が胃粘膜に生息していることが報告され、このピロリ菌が胃粘膜細胞障害に深く関連していると注目されています。

ピロリ菌はアンモニアやサイトトキシンとよばれる傷害性物質を生産し、一方で白血球の内の好中球を活性化して活性酸素が生成され、さらにモノクロラミンという細胞傷害性の強い物質が生成されることが分かっています。最近、抗潰瘍薬の開発が進み、外科的治療である手術の割合が減少していますが、何といっても規則正しい生活に心掛け、暴飲暴食を避け、ストレスを解消して、タバコ、アルコールなどの嗜(し)好品を制限するといった日ごろの健康管理こそ最良の薬になるのです。

原田医院 原田進吾

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