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健康豆辞典

寒さと健康 大寒

「房州の逆さ寒」に注意 急な気温低下は危険大

「大寒」は冬季中最も寒いときを言いますが、「房州の逆さ寒」という言葉があります。寒が明けたころ、房州ではむしろ寒くなるという古くからの言い伝えです。いずれにしても、これからが寒さの本番、健康には十分留意して下さい。季節と病気は密接な関係があります。神経痛、リウマチ、喘息(ぜんそく)などはよく知られておりますが、今回は寒さと血管病変に絞ってお話ししたいと思います。

高血圧の検査の一つに寒冷昇圧試験というのがあります。一方の手を冷たい水の中に入れておき、もう一方の手で血圧の変化を調べるという簡単な検査ですが、高血圧体質の方は、てきめんに血圧が上がります。それだけ寒さに敏感なわけです。

一般に、どなたでも急に寒さにさらされると血圧は上がりますが、この反応は高血圧体質の方は特に強い。無論、血管が丈夫なら少々血圧が上がっても問題はありませんが、たまたま動脈硬化とか動脈瘤(りゅう)があると、それが引き金で思わぬ血管事故につながりかねません。

日ごろ、耐寒マラソンとか、ジョギングで体を鍛えることも大事ですが、これはあくまで若くて健康な人のお話。高血圧や心臓血管系の病気をお持ちの方は、急に寒い思いをすることだけは避けて下さい。「年寄りの冷や水」ということわざがありますが、事実、老人が死亡するのは寒冷前線が通過し、気温が急激に下がるときが一番多い。寒さを決してばかにしないこと。

ひと昔前(1940年ごろ)までは、死亡率は冬と夏が高く、春や秋は低かった。しかし、その後は冬のピークだけが残るようになりました。これは、一つは衛生環境が整い、医療が進歩して、夏に多い伝染病がなくなったこと、もう一つはみんな長生きをするようになって成人病、つまり、高血圧とか狭心症などの血管系の病気が増えてきたためと思われます。従って寒さから血管を守る、これが冬季の成人病対策の一つとお考え下さい。

近ごろでは優れた暖房器具が出回っており、それほど寒い思いをすることは少なくなったのですが、逆にそのことが寒暖の差を激しくすることにもつながります。暖かい住居から急に木枯らしの吹く外へ出掛けた場合、その急激な温度差がかえって血管収縮を強く起こしてしまう可能性もあるのだということを心得ておいて下さい。

あまり外気との差が激しい暖房は避けること。それと、できれば「頭寒足熱」型の暖房をするなど、暖房の仕方にも一工夫することがたいせつです。

遠藤医院 遠藤幸男

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