健康トピックス

健康豆辞典

こどもの日

子供の健康を願って予防接種の必要性認識を

つい先日のことである。四歳の子を保育所に入れるための検診を受けに、母子が訪れたときのこと、まず、福祉事務所からの書類に目を通した私は驚いた。予防接種の項に全く記入がない。で私は「お母さん、予防接種も記入してください」と言うと、お母さんは「予防接種はしません」ときっぱり-何となく反抗的な態度で返事が返ってきた。「えっ、何で?生まれてから三ヶ月たつと、いろいろあるでしょう。三種混合やら、ツベルクリン・BCG、はしかなど、もう終わってなくっちゃ」「あんなの副反応が多いばかりで、意味ありません」との返事。これには、さすがおとなしい?私も、がつんときた。「かわいくないねえ」といってお母さんの顔を見た。お母さんも、一瞬身構えた形で私をにらんだみたい。私も、ちょっと言葉がきつかったかと反省して、にっこり笑って「予防接種ってのはねえ」と語りかけたが、あまり通じなかったようだ。ただ、このお母さんの言うように、今のところ、予防注射の副反応による健康被害も、絶無とは言えない。すなわち、局所が赤くはれるとか、熱が出るとか、異常体質者のショックやひきつけなどの報告もまれにある。しかしこれらも、子供の体質をよく知ってて医師と相談することで、相当防げるものである。しかも、今日まで感染症予防のために、予防接種の果たしてきた役割の極めて大きいことを考えれば、なおその必要性は否定できない。すなわち、天然痘はなくなった。ポリオもほとんどなくなった。百日ぜきや麻疹も少なくなった。といってもまだまだ油断はできない。世のお母さん方は、わが子の健康維持のため、各人それぞれの「かかりつけ医」などと十分相談して、進んで予防接種を受ける自覚が必要である。最近の予防接種制度も、従来の集団予防の考え方から、個人の疾病予防を基本とするように変わってきて、従来の集団による義務接種をやめて、勧奨接種とすることになった。すなわち、本人の体質や既応症をよく知っている「かかりつけ医」による、個別接種を基本とするようになった。このように、各人それぞれの体調のいいとき、都合のいい日に、「かかりつけ医」などと十分相談してから、受けるようになったので、予防接種によるいろいろな心配も、相当防げるようになるのではないかと考えている。最近の、わが国における少産小子化、核家族化の進展などとともにさらにはんらんする育児情報も加わって、現代の育児環境は大きく変わってきている。われわれ小児科医の対象はもちろん、小児ばかりだが、その話し相手は、ほとんどお母さん方である。このような社会状況の下、子供の日を迎えるにあたり、私たちはお母さんたちとともに、子供の健康と幸福のため、さらにさらに、力を尽くさなければならないと考えている。

桜井小児科医院 桜井義也

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