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メタボリックシンドローム

以前より、コレステロールが高かったり、糖尿病の人は心筋梗塞になりやすいことがわかっていました。一方、肥満は、身体に脂肪が過剰に蓄積する状態ですが、皮下脂肪の蓄積に比べ、内臓周囲(腸のまわり)に脂肪がたまる内臓脂肪型の肥満では、血圧・血糖・中性脂肪などが高くなります。それぞれの程度は軽くても、複数重なると動脈硬化が進行して、心筋梗塞などにつながることがわかってきました。この病態をメタボリックシンドローム(代謝症候群)と呼びます。最近、我が国でのメタボリックシンドロームの基準が発表されました。(表1)

男性はウエスト85センチ以上、女性は90センチ以上で、高血圧・高脂血症・高血糖のどれか2つ以上があれば、メタボリックシンドロームと診断します。

ポイントは、血圧・中性脂肪・血糖値は、正常より少し高いくらいでも、2つまたは3つ重なることで‘合わせ技一本’になってしまうことです。

この基準で判定すると、日本人男性の4人にひとりはメタボリックシンドロームということになります。

【解説】

ウエスト周囲径は、立って軽く息をはき臍まわりをはかります。ズボン、スカートのサイズではありません。

内蔵脂肪がたまっているかどうかを正確に調べるにはCTスキャンなどの検査が必要ですが、検査を受けなくても、ウエスト周囲径である程度予測します。

高トリグリセライド血症:中性脂肪が高い

低HDLコレステロール血症:善玉コレステロールが少ない

収縮期血圧:‘上の血圧’

拡張期血圧:‘下の血圧’

では内蔵脂肪が余分にたまるとなぜ、動脈硬化がすすみ、心筋梗塞などの病気になってしまうのでしょうか。

最先端の研究によると、普通の状態の内蔵脂肪はアディポネクチンとよばれる、動脈硬化を防ぐ働きのある物質をだしているといわれています。

内蔵脂肪がたまると、

1)動脈硬化を防ぐ、アディポネクチンが減る。

2)インスリン(血糖値を調節しているホルモン)の働きの‘じゃま’をする物質が増えて血糖値が上がる

3)動脈硬化をすすめる物質が増える。

などの理由で動脈硬化が進行すると考えられています。

メタボリックシンドロームの治療

メタボリックシンドロームの治療の基本は、たまっている内臓脂肪を減少させることです。

そのためには、食事療法・運動療法を主体とした生活習慣の改善です。内臓脂肪は、食べ過ぎ・運動不足でたまりやすいですが、少しの頑張りで減りやすいのも特徴です。

ポイントは

1) 適正なエネルギー摂取(食べ過ぎない)

2)油ものをひかえる(脂肪を摂取エネルギーの25%以下とする)

3)単純糖質、塩分、アルコールをひかえる

4)食物繊維を多くとる

5)1日20~30分の有酸素運動(ウオーキングなど)で脂肪を燃焼させる

6)体重を毎日はかり(デジタル体重計がよい)、記録をつける

高血圧・高脂血症・糖尿病は程度により個々に薬による治療も行います。

しかし、薬だけ飲んでいれば良いのではありません。食事療法・運動療法によって内臓脂肪が減れば薬をやめることも可能です。

内臓脂肪の蓄積が原因であるメタボリックシンドロームを早期に診断・治療して、 動脈硬化の進行をふせぎ、心筋梗塞や脳梗塞などの重い病気を予防しましょう。

参考1)動脈硬化

動脈は人の体のすみずみまで血液を送る水道管にたとえられ、水道管は古くなると壁面にごみやさびが付着してもろくなったり、つまりやすくなったりするのと同じように、人も歳をとると動脈がつまりやすくなります。この状態が動脈硬化です。

狭心症や心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養や酸素を送る血管(冠動脈)に動脈硬化がおこることによって発症し、激しい胸痛を伴います。不整脈や心不全などを合併症して、致命的となることもある恐ろしい病気です。また、脳へ血流を送る血管が動脈硬化をおこしてだんだん細くなり、つまってしまう病気が脳梗塞です。脳梗塞をおこすと手足が麻痺して動かなくなったり、言葉を話せなくなったりします。

参考2)体格脂肪指数(BMI)による理想体重と肥満の判定

BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

理想体重とは BMI = 22 となる体重です

BMI = 25 を超えると肥満と判定します

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