医療現場からの提言

2015年

vol.10 手洗いでノロ感染防御を

秋から春にかけて毎年流行し、感染性胃腸炎を引き起こす「ノロウイルス」について、詳しいことを教えてください。

西牟田:

ノロウイルスは遺伝子型分別法により五つの遺伝子グループ(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)に分けられ、そのうちグループⅠ、Ⅱ、Ⅳがヒトに感染します。大部分はグループⅡ(GⅡ)によるものですが、GⅡには、さらに22種類の遺伝子型(GⅡ.1~22)が分かっています。

流行株の特徴などについては?

西牟田:

2006/07 シーズンに大流行したのは、GⅡ.4によるものでした。その後4シーズンにわたり遺伝子型GⅡ.4亜株による流行がありましたが、年々新しいGⅡ.4亜株(遺伝子型ではGⅡ.4に分類されるが、遺伝子配列に変異がある)が出現し、長期にわたって流行を繰り返していたと考えられています。

ここ数年の感染の傾向や推移についても説明してください。

西牟田:

2015年に、流行株に大きな変化がありました。川崎市内で発生した感染性胃腸炎患者から、GⅡ.17が検出され、これが2014/15シーズンの1月以降の広域流行に関係していたことが分かりました。GⅡ.17は国内各地で流行していると考えられ、中国をはじめアジア諸国でも多く検出されています。2006年以降の主要流行株であったGⅡ.4に取って代わり、2015/16シーズンにはGⅡ.17が主要流行株になると考えられております。現段階ではGⅡ.17に対する免疫を持っている人は少ないと思われるので、今年の10月下旬以降のノロウイルス感染に注意が必要です。

感染源や予防策、日頃から心掛けるべきことは?

西牟田:

ノロウイルスの感染経路のほとんどは経口感染です。加熱不十分な汚染された二枚貝や、汚染された水を摂取しないようにし、食品取扱者(食品製造や調理従事者など)は的確な衛生管理に留意して食中毒を防がなければなりません。無症状者(不顕性感染)の糞便中にも大量のウイルスが排泄(はいせつ)されますので、すべての人が手洗いを励行することが、最も重要な感染防御対策です。

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