医療現場からの提言

2015年

vol.06 「運動器検診」義務化へ

子どもが学校でけがをしてしまわないかと心配です。

三枝:

学校は、児童生徒が知識や他人と触れ合うことによって人としての人格形成を行う場であり、十分な安全が確保されなければなりません。学校におけるけがは、1975(昭和50)年をピークに減少傾向にありますが、依然として多くの児童生徒が負傷しており、時には死亡事故に至るケースもあります。

もし、けがをしたり、事故を起こしたらどうすればいいでしょうか?

三枝:

授業中や部活・通学時などに起こるいわゆる「学校管理下」における事故や災害でけがをした場合には、日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」の対象となり、医療費や見舞金が支払われます。ただし、この場合には各市町村が行う「子ども医療費助成制度」の対象とはなりませんのでご注意ください。

けがが障害となってしまう恐れは?

三枝:

最近、子どもたちの生活が二極化してきていると言われています。つまり、小さいころから野球やサッカーのクラブに入って一生懸命に練習する子と、パソコンやテレビゲームに夢中になって運動不足になる子の両方が増えているそうです。前者は、練習のしすぎでけがをして手足に障害を残すことがあり、また後者は体が固くなったり、周りとの距離感が鈍くなったりしてやはりけがをしやすくなります。この両者がいずれも将来、ロコモティブシンドロームという手足(運動器)の障害につながっていくと言われています。

異常の早期発見に向けた取り組みは?

三枝:

こうした状況を踏まえ、2016(平成28)年4月からすべての小中学校・高校に「運動器検診」というものが義務化されます。これは、学校健診の時に手足の柔軟性や変形などを見て、異常を早期に診断・発見して対策を立てていこうという試みです。

日ごろから注意すべきことなどがあれば、教えてください。

三枝:

給付制度や検診など児童生徒を守る体制はできつつありますが、学校でのけがを未然に防ぐには、子どもたちが事故の可能性を自ら察知して避けられるように、学校や家庭でしっかりと教育していくことが最も大切であると思われます。

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