
この時期、乳幼児が気を付けたい感染症について教えて下さい。
大濱: | 冬季の感染性胃腸炎の多くはウイルスによるものである。ウイルスによる流行期は12月ごろから3月にかけてであり、例年では年末にノロウイルスによる流行がみられ、早春にはロタウイルスによる流行がみられる。乳幼児の感染性胃腸炎の最も主要な原因はロタウイルスによる感染症である。 |
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ロタウイルスに感染した時の症状とは。
大濱: | 症状は嘔吐(おうと)と腹痛、白色の下痢便で、ノロウイルスよりも発熱を伴う場合が多く、重症度が高いとされている。合併症として重症の脱水症を起こすことがある。また、けいれんや脳症を起こすこともある。生後6カ月から2歳の乳幼児に多くみられ、5歳までにほとんどの小児が経験する。ロタウイルスには多くの型があり、くり返しかかることがある。初回の感染で重症化しやすく、2回目以降は重症化する可能性は低くなる。 |
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予防法は。
大濱: | 感染力が非常に強いため、予防は難しく、保育園や幼稚園で集団感染することがある。感染性胃腸炎の予防の基本は手洗いの励行であるが、ロタウイルスについてはワクチンが発売されている。2種類のロタウイルスのワクチンが承認されていて、任意で接種を受けることができる。ワクチン接種によって、点滴や入院が必要になるほどの重症例を約90%減らすといわれている。 |
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便や吐物の処理は。
大濱: | 感染者の便や吐物には大量のウイルスが排せつされ、またウイルスが乾燥して空中に漂い経口感染することもあるので、便や吐物は乾燥しないうちに処理する。吐物が付着した床などは、手袋を使用し、次亜塩素酸ナトリウム液(家庭用塩素系漂白剤)で浸すように拭き取り、使用したペーパータオルなどはビニール袋などに密封して廃棄する。 |
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