医療現場からの提言

2013年

vol.11 ノロ感染防止に手洗いを

ノロウイルスについて。

大日方:

ノロウイルスは12月から翌年3月をピークとして全国的に流行する。ノロウイルスは罹患(りかん)しても免疫の獲得が十分得られず、抗体の持続も3か月程度であるため、乳児~成人に至るまで感染する。高齢者では、嘔吐(おうと)物による窒息・誤嚥性(ごえんせい)肺炎、脳梗塞(こうそく)が問題となる。小児では、無熱性けいれん、脳炎・脳症の合併がある。

感染経路は。

大日方:

便や吐物に接触した手を介する接触感染およびノロウイルスに汚染された食品を介する経口感染がある。吐物や下痢便の処理や、激しい嘔吐により飛散したウイルス粒子を吸入し、嚥下(えんげ)する感染経路も問題である。吐物や下痢便の処理が適切に行なわれず残存したウイルスを含む小粒子が、掃除などの物理的刺激により空気中に舞い上がり、ウイルスを吸入嚥下し、胃腸炎を発症する。ノロウイルスは約10~100個程度のウイルス量で感染が成立する。一回の嘔吐では約100億個のウイルス粒子が含まれるため、1滴の吐物であっても十分な感染性がある。

感染後の症状は。

大日方:

ノロウイルス性胃腸炎は突然の嘔吐、下痢(血性にはならない)で始まり、腹痛、頭痛、発熱を認める。多くは数日の経過で自然に回復する。潜伏期は1~2日であり、消化運動が低下し、胃から小腸への食物の移動が停滞することにより、嘔気(おうき)・嘔吐が起きる。症状は通常1~2日で回復する。

感染防止には。

大日方:

ノロウイルスはアルコール抵抗性であり、0.1%次亜塩素酸ナトリウムによる消毒、あるいは85℃以上で少なくとも1分以上加熱する必要がある。感染防止策として手洗いの励行は重要である。

感染後は。

大日方:

ノロウイルスは、下痢消失後48時間でウイルス量は急激に減少し、感染性はなくなる。したがって症状消失後も2日間経過すれば、通常の業務、学校に復帰できる。

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