医療現場からの提言

2013年

vol.08 災害時に求められる「ICS」

災害時の助け合いとは。

李:

災害時において、被害をできるだけ少なくするためには、1人ひとりが自ら取り組む「自助」、地域や身近にいる人同士が助け合う「共助」、国や地方公共団体などの「公助」、それぞれの連携が重要。また、異なる職種・組織が連携して対応にあたることが求められるため、指揮命令系統や役割分担の明確化や管理手法などを統一することで、すみやかに活動ができると考える。こうした考え方は、米国で災害現場・事件現場などにおいて標準化されたシステムでICS(インシデント・コマンド・システム=現場指揮システム)といわれている。

ICSを、もう少し詳しく。

李:

もともとは1970年代に米国の消防により開発され、徐々に他の行政機関などでの利用が拡大し、米国で発生するあらゆる緊急災害・緊急事態にICSを適用することが定められた。災害・事件の種類を問わず、日常の事件・事故からテロ事件・ハリケーン災害などの危機管理まであらゆる緊急事態対応で使用される。また、自主防災組織・地域防災、原子力防災、さらにコンサート、パレード、オリンピックのような非常時以外のイベントなどでも活用される。

そのシステムは。

李:

ICSの基本原理は4つで、1つは緊急時においては現場が、最も状況を把握し、情報収集ができるため、突発的にあるいは逐次的に発生するトラブルに対し、即時の対応が求められる現場自身に権限を委譲すること。2つ目は危機管理・緊急時対応において、他機関が協力に入っても速やかに活動できる組織体制として指揮、実行、計画、補給、財務管理の5つの部門を明確にしておくこと。3つ目は災害現場での活動に対して、支部や本部は派遣調整や情報収集、関係各機関との調整業務などに徹する。4つ目は情報共有を効率的に行うために活用する様式や通信手段を統一すること。

読者へアドバイスを。

李:

以上を念頭におき関係機関や地域コミュニティーなどにおいて連携強化を図り、南海トラフ地震や首都直下地震など、想定される災害に対して日ごろから災害への備えを考えていてください。

BACK INDEX NEXT
公益社団法人 千葉県医師会 CHIBA MEDICAL ASSOCIATION みんなで高めるいのちの価値 ~健康と福祉のかなめ~
〒260-0026千葉県千葉市中央区千葉港4-1
TEL 043-242-4271
FAX 043-246-3142