医療現場からの提言

2013年

vol.07 適正なセカンドオピニオン

医療の現場で、最近よく耳にする「セカンドオピニオン」とは。

宍倉:

歴史から説明すると、もともとは1980年代のアメリカで、医療費を抑えるために保険会社が外科医に課したことが起源。アメリカの医療費は病院が勝手に決められたため、費用の高い手術が必要かどうか、またその料金が適切かについて、支払う側の保険会社が2番目の医師の意見(セカンドオピニオン)を必ず聞くように患者さんに求めた。日本では国が医療費を定めているため必要ないが、「いまの治療について他の医師の意見を聞く」という患者さんにとってのメリットが認められ、がん治療などを中心に徐々に行われてきている。

何でもセカンドオピニオンを求めてよいのか。

宍倉:

ただ他の医師の意見を聞けば良いというものではない。セカンドオピニオンとは、「患者さんにとって最適な医療を、患者さんと主治医の間で判断するために、別の専門家の意見を聞くこと」。通常の医療は病気について主治医で検査を受け、診断の説明、治療方針を相談、決定する。その時に、医師の説明に納得できない場合や、提示された治療でない治療を希望する場合、可能かどうか別の医師に相談することができる。

ここで大切なことは。

宍倉:

先ず「他の医師の意見は聞くけれど、治療は主治医と相談して決める」のか、「他の医療機関への紹介を希望するのか」をはっきりとしなければならない。セカンドオピニオンと主治医を変えることは同じではない。その病気に対する主治医の変更を希望される場合は「紹介」になる。

セカンドオピニオンの使い方の勘違いか。

宍倉:

主治医を決めず、多くの医師に同時にかかる人もいるが、同じ病気を同時に複数の医師が診療する場合、別の医師が診ていると思って、お互いに遠慮してしまい、結局真剣に自分の病気を診てくれる主治医がいなくなってしまうこともある。また、自分が望む治療を提示してくれるまで、医師を探し続ける人もいる。見た目には理想的な治療であっても、実際には治療効果が低かったり、予想外の危険を伴う治療もあり、主治医がいない場合はその治療が本当に適切かどうかの判断を自分でしなければならない。このような医者のかかり方を「ドクターショッピング」という。

主治医との関係が大切ということか。

宍倉:

あくまで専門家である主治医と相談しながら、他の専門家の意見も聞くということが、患者さんにとってメリットのある「セカンドオピニオン」。病気について主治医としっかり話し合い、その上でセカンドオピニオンを希望することは、主治医との信頼関係を損なうものでは無い。セカンドオピニオンは、主治医との信頼関係の上に成り立っていることなので、他の医師の意見を求める前に先ず主治医とよく話し合い、その上で必要に応じて行うことが大切。

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