医療現場からの提言

2013年

vol.06 熱中症について

熱中症とは。

貞広:

熱中症とは高温の環境によって体温が上昇し、体の中の水分や電解質(ナトリウム、カルシウムなど)のバランスが崩れることで起きる障害のことをいいます。そもそも体温は脳内の体温調節中枢と呼ばれる場所でコントロールされています。そしてインフルエンザなどの感染症では脳が“発熱”を指示して体温が上昇しますが、熱中症の場合はこれとは異なり、脳は“平熱”を指示するにもかかわらず高温環境によって体温が上昇してしまいます。

その予防・治療は。

貞広:

治療としてはまずその環境を改善し、体温をコントロールすることが重要です。ただ、高温の環境とはいっても炎天下での作業やスポーツの時だけでなく、屋内でも発症することがあるので注意が必要です。次に重要なのは水分、電解質の十分な補充です。人は体温が上昇すると、通常発汗しその気化熱で体温を下げます。しかし発汗によりその中に含まれる水分や電解質が一緒に失われます。

電解質が不足すると。

貞広:

水分、電解質が不足すると体温をコントロールできなくなります。これにより意識消失やけいれんなどさまざまな症状が引き起こされ、重症になると重要な臓器に障害が出て生命にかかわることになります。最近の研究では高齢者が熱中症による脱水状態となることにより脳梗塞(のうこうそく)の発症頻度が上昇することも示されています。

日常での注意は。

貞広:

わが国における熱中症については、日本救急医学会が2006年から2年おきにHeatstroke・STUDYと呼ばれる大規模な疫学調査を行っており、その実態、現状が明らかになってきています。単に気温が高いだけでなく、気温が急激に上昇する時期に死亡例が多いことが判明しています。ことしも高温環境を避け、十分な水分、電解質の補給を行うなど、しっかりとした熱中症対策を心がけてください。

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