医療現場からの提言

2013年

vol.04 『マダニ』にご注意を

ダニの被害が報告されていますが。

宍倉:

「マダニ」です。体長3~5㍉のクモの仲間で、人や動物の皮膚に寄生し血液を吸います。自然界では沢沿いの斜面や森林の笹原に生息し、人や動物が通りかかるとその皮膚に食いつきます。一度かみついたら吸血が終わるまで1~2週間かかるため、牙をがっちりと皮膚に食い込ませ、その力は無理にはがそうとすると頭部が体からちぎれて皮膚に残るくらい強力です。

吸血されるだけで済みますか。

宍倉:

マダニが問題なのは、動物などから吸血する際に、細菌やウィルスなどさまざまな病原体を一緒に吸い込み、それを次の動物に移す場合があることです。マダニが媒介する病気の名前を挙げると、日本猩紅(しょうこう)熱、Q熱、ライム病、ダニ媒介性脳炎、そして、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などがあります。中には死亡したり重い後遺症を残すなど深刻な感染症もあり、ダニにかまれたことがわからないと診断は困難です。

SFTSの症状は。

宍倉:

SFTSはウィルスの感染により発症する感染症です。症状は突然の吐き気や全身のだるさで始まり、その後高熱や嘔吐(おうと)・下痢、さらには髄膜炎による神経症状や出血・多臓器不全が出現し、死に至ることもある恐ろしい病気です。このウィルスは2011年に中国で発見された新しいウィルスで、日本では2013年1月に初めて症例が報告されました。

日本の現状は。

宍倉:

ことし4月16日までに合わせて12人の発症が確認され、うち8人が死亡しています。またこのウィルスは3月4日付けで、感染症法上の第四類感染症(全例届出の対象。厚生労働省)に位置付けられました。

その予防方法は。

宍倉:

この病気を防ぐためには、マダニにかまれることを防ぐことが第一です。マダニは草むらや藪(やぶ)などに生息しているため、屋外活動で草むらや藪に入る場合は、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出をできるだけ少なくしてください。マダニにかまれても意外に痛みは少なく、かまれたこと自体に気が付かない場合が多いといいます。また、屋外活動から戻ったら、風呂に入るなどして体を良く洗い、服は洗濯するようにしましょう。

かまれたと思ったら。

宍倉:

不幸にもマダニにかまれてしまったら無理に抜こうとはせず、すぐに皮膚科などの医療機関を受診してください。無理に引っ張ると頭部がちぎれて皮膚に残ったり、体液の逆流を招き感染の危険が高まります。切開して取り除かなければならないことも多く、素人療法は非常に危険です。

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