医療現場からの提言

2013年

vol.03 県の高齢者医療について

高齢者の増加が著しいが。

田畑:

人口問題を俯瞰(ふかん)すると、1947~49年生まれである団塊の世代が、10年後には後期高齢者世代へと突入し、総人口が減少するも、2025年までに75歳以上の人口が急増する。一方、わが国では、医療行政に良く活用されるのに医療圏がある。これには1、2、3次の医療圏があって、日本医師会総合政策研究機構から、2035年における2次医療圏別(全国349医療圏)の人口増減率(2010年比)と75歳以上の医療と介護の需要量の予測即ち、「医療・介護需要点数(以下、医療・介護需要)」(同年比)のデータが提示された。

県の医療圏および高齢者の増加率は。

田畑:

現在、県では9つの2次医療圏があり、「大都市型」(千葉、東葛南部、東葛北部、印旛)と「地方都市型」(香取海匝、山武長生夷隅、安房、君津、市原)、「過疎型」に分類される。今回、県の「大都市型」と県の「地方都市型」の検討をした。わが国の0~74歳の人口は、2015年以降は減少、75歳以上の人口は、2030年ピークに、2035年には59%増(2010年比以下同様)と推定。県も同様の傾向で、0~74歳以下は減少が見られる。一方で、75歳以上は、県は101%増であった。さらに「大都市型」では116~136%と極めて大幅な増加が見られ突出している。相対的に「地方都市型」でも、全国に比べると安房、香取海匝以外の地域での増加率は高いが、「大都市型」程ではなかった。

高齢者率と医療需要は比例するのでは。

田畑:

県の総医療需要は2035年までに、18%の増加、全国(9%)に比べて高い伸び率。県の75歳以上の総医療需要は、101%増。全国に比較して高率。一方、0~74歳の総医療需要は全国でマイナス17%、県も同率。特に県の「地方都市型」のマイナスが目立った。つまり医療需要は、75歳以上では「大都市型」で増加率が極めて高く、74歳以下では、極めて「地方都市型」の減少率の高さが目立った。

後期高齢者の増加で要介護者も増えるが。

田畑:

わが国の総介護需要は、2035年では50%増、県は83%増と国も県も介護需要は増加すると推定。特に「大都市型」で93~110%増と極めて高かった。一方「地方都市型」は全国に比して、安房18%増、香取海匝23%増と低く、市原は97%増と高かった。「大都市型」を中心とした介護の需要が高く、「地方都市型」では、低い地域と、比較的高い地域の混在した需要であった。

医療・介護需要について、これからの課題は。

田畑:

県は、75歳以上を中心とする人口増加が予想され、特に「大都市型」では、医療・介護需要が高く、いわゆる“未曾有の後期高齢者の増加”への対応が課題と思う。「地方都市型」では、74歳以下を中心に総人口の減少や総医療需要の低下と介護需要の混在化がみられた。

課題の解消には。

田畑:

県医療行政では昨年、全国に先駆けて、長年のベッド規制を解き、医療ベッドの増床施策を行っている。今後は、医療、介護行政には2次医療圏などを考慮した個別、種々の対応が望まれ、国や県行政とともに県医師会もこれらの多くの課題にともに対応すべきと思っている。

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