医療現場からの提言

2007年

vol.07 熱中症にご注意を

熱中症とは。

川越:

熱中症は、「熱暑環境下や運動によって体温維持機能が不全状態になるまでの連続的病態」といわれています。つまり高温の環境下での作業や激しい運動をしたときに、体温を調節する能力が障害された時に起こります。夏だけではなく冬に暖房の効いた部屋で厚着をしていたりしても起こる可能性はあります。また、よく日射病と熱射病という言葉を聞きますが、日射病はまだ定義がはっきりしませんが、炎天下に太陽熱によって熱痙攣(けいれん)などを起こしたものといわれており、熱射病は脱水やナトリウム不足による体温調節機能の異常な状態で生命に関わることもあります。熱中症はこれらの総称です。

症状は。

川越:

症状によってⅠ度(軽症度)、Ⅱ度(中等度)、Ⅲ度(重傷度)と分類されており、Ⅰ度は筋肉痛のあるこむらがえり、めまい、失神など。Ⅱ度は疲労感、脱力感、頭痛、血圧低下、皮膚蒼白等。Ⅲ度は意識障害、異常行動、過呼吸、ショック状態でⅡ度から進行してくる症状です。

治療法は。

川越:

Ⅰ度の場合、応急処置として、涼しい所に連れて行き衣服をゆるめスポーツドリンクなど塩分と糖の入った水分補給をします。冷たいタオルや冷えたジュースの缶で腋の下や股関節の所の太い血管があるところを冷やすことも有効です。これらの処置で症状が良くならない時は医師の診察が必要です。Ⅱ度とⅢ度の場合は、応急処置を迅速にして早く病院へ搬送することが必要です。特にⅢ度の場合は、集中治療が必要になることが多いので迅速に対応してください。一般にⅢ度の場合、二十分以内に体温を下げられれば、ほぼ救命できるといわれています。

予防対策は。

川越:

スポーツドリンクや〇・一~〇・二%の食塩水で水分の補給(水だけだとナトリウム不足や水中毒になる可能性がある)をする帽子や日傘で直射日光を避ける休憩をこまめに取る睡眠を十分取り体調を整えておく屋内の場合は風通しを良くし、扇風機やスポット冷房などを使って室温を下げる、などが有効です。特にお年寄りや小児は熱中症になりやすく、命を落とす確率も高いので注意が必要です。炎天下の車の中は三十分間ぐらいでも五十~六十度になります。そこに子どもを置き去りにすれば死に至るのは明らかです。少しでも熱中症の知識があればこのような事は防げるはずです。予防法や応急処置をぜひお役立てください。

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