医療現場からの提言

2002年

vol.01 少ない負担で高度医療

保険制度の改正について。

藤森:

どんな制度も時代の変化によって改正の必要はある。ただし、それは改善でなければならない。国民の99.7%が保険で診療を受けられる日本の医療保険制度は世界一と考えている。誰でも保険によって、全国どこでも、安定した高度な医療が受けられるシステムは守っていくべき。

今回の改正で問題とすべき点の1つに、高齢者の患者負担の引き上げがある。これは単に、収入が少ない高齢者の経済的負担を増加するだけではなく、高齢者が身体の不調を感じても、経済的負担の増加によって、病院へ行くことを抑制する心理が働く恐れがある。

病気の治癒には、早期の診療、治療が不可欠である。
国の財政面の厳しさ、構造改革の必要性は理解しているが、国民の健康を守るための改正でなければならないと、われわれ医師は考えている。

医師会の役割について。

藤森:

県医師会は、各地区医師会と連携を図り、地域医療の充実に取り組んでいる。そして、大切なことは、医師会と患者さんとの信頼関係の構築である。保険制度の改正に反対していることで、医師会に対する誤解がある。

今回の改正で、医師が経済的利益を得ることはない。一部負担金に関しても、保険料の一部を窓口で徴収しているにすぎない点を理解してもらいたい。

日常の医療活動を通して、患者さんとの信頼関係を構築した上で、次の三点を行動方針としている。(1)医師の先端医療技術の学習と習得(2)情報公開として診療・医療情報の患者への提供(3)地域連携、病診連携の促進である。
一人ひとりの医師で構成する医師会は、国民皆保険体制の維持と、少ない負担で質の高い医療が受けられる制度の継続、誰もが地域や収入などで制限を受けることがない医療制度を目指している。

千葉県の資料では、10年後には、県民の5人に1人が65歳以上になるという。まさに超高齢化社会である。高齢者を含め、県民が、安心して暮らせる社会づくりに貢献する医師会として行動していく。

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